アメリカ珍道中

もうコロラドにいないので、コロ珍卒業!現在ワシントン州シアトルで駐在中。シアトルでの日々をご報告。

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人間失格を読む

すごく暗くて落ち込むと聞いていたのでずっと避けていた太宰治の「人間失格」をこれまた変なタイミングで読んでしまいました。

かつて三島由紀夫は太宰のことも太宰が書く本も大嫌いだと言ったと聞きました。なぜか嫌われることの多かった太宰ですが、うーん、私は別に好きでもキライでもないなと思いました。

ストーリーはダメ男のダメ人生なんだけど、自分をうまく演じることが出来るダメ男は本当に女の人にモテる。ほっとけない男を演じるので女もそれにひっかかる。ダメ男ではなく、実はすごいヤツだと私は思ったりもしました。そこまで女の人を惹き付け、利用されてもいいとさえ女は思う。あんまりパッとしない女を女として扱い、その女は女として扱われることで生き生きとしてその男に尽くす。ある意味、利害関係が成立しているし、女は哀しい女として描かれているかもしれないけど、私はその女たちはある意味幸せだったと思う。

最後の最後まで、私は主人公の本当の性格や人格、心の奥底がわからないままでした。読み終わったあとに冒頭の「恥の多い生涯を送って来ました。」というのを思い出しました。自分を演じてダメ男ではあったけども自分の人生を恥だと思っていることに、なんだか恥とはどんなものかわかりながらもまともに慣れきれなかった、本当の彼の姿を見た気がしました。
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秋の夜長

コロラドの夜はもう寒いです。コロラドに秋という秋はなく、いきなし冬になります。だから今は秋ってことで。

本を読みました。
小林よしのり「いわゆるA級戦犯」。感想はたくさんあるけど、簡単に言うと、戦争の時って本当に公平も不公平もなくて、常識も非常識もない。異常な状況で人間が異常な行動にでるのは、どんな戦争でもどこの国も同じだと思う。負けた国は「戦犯」として処刑される人がいるけど、戦勝国は同じような非道なことをしても勝ったからそれは悪い事として見られないんだよね。考えさせられました。


これから始めるのと同時進行で読んでるのです。長くかかるだろうなー。
サリンジャー「フラニーとゾーイ」。「ライ麦畑でつかまえて」の作者です。ライ麦をまだ読んでないのにこっちを先に読みたいと思うのは、友達にすごく影響を与えた本だと聞いたので。このあとライ麦を読むつもりです。「全世界の若者に影響を与えた禁書」ってどんなもんかと。でも英語だから時間かかりそう。




あと三島の「金閣寺」。もう早く読めとつっこんでください。もうちょっと落ち着いてからにするかなー。

最後に、「コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー」。コロンバイン高校に行っていた高校生の手記。1999年にコロラドで起こった高校生による銃乱射事件。その頃は自分がコロラドに行くなんて思ってもみなかったし、コロンバイン高校のすぐ横の大学で教えるなんて想像もつきませんでした。なんと読み始めてビックリだったのは銃をぶっとばした犯人の一人の子のお母さんも私と同じ大学で教えてたってこと。こんな平和な街でこんな事件が起こったんなんてホント当時はすごかっただろうなー。


はやいとこ秋の夜長に読んじゃいます。なーんて言うけど、明日から親友がNYCからボルダーに遊びに来ます。ゆっくり読んでる場合じゃない!

ちなみに今日段ボールに冬物をつめて日本に送りました。まだ一つ目。でも200ドル。アメリカからの船便がなくなって航空便しかない!痛い。あと何箱送るの・・・。もう痛い。
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本を読む事

ご存知の通り、最近「文学っぽいこと」カテゴリーが滞ってます。というのも、純文学を読んでない!嗚呼・・・こうやって脳細胞が死んで行くのをヒシヒシと感じながらも読まないでいる私。

実際本を読んでないわけではないのです。本を読んでるけど読んでる本といえば「自分を磨こう!」とかっていう自己啓発系の本で、それにハマってしまっていて、純文学を読んで、じっくり考えてっていうのとは違う脳の働きをしているのです。

どうしてもお風呂入ってるときとか寝る前とかに読むことになるんだけど、1日仕事して疲れたなーってときに頭をフル回転させて純文学を読みたくないという思いから自己啓発系に走る訳です。

でも、どうしてそんなに深く考えながら純文学を読まなきゃいけないの?と自問自答。ただの娯楽の読書にすればいいじゃない、って思うけど大学院の時の影響で読む前にも気合いが入るつーことです。

今、手元に三島の「金閣寺」があります。この2ヶ月一緒に旅行してます。でも1ページも読んでない。ごめんよ、由起夫。今日は由起夫を読もう。こんなユタの静かな夜には由起夫を!

みなさん、本読んでますか。本を読む人、とくに純文学読んでる人は素敵ですよー!
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雨・雪・・・ノルウェイの森

ボルダー、非常に天気が悪いです。
365日中、350日晴れと謳っているボルダーがこんなに雨!

昨日友達のお誕生日で、夜中にデンバーに行きました・・・が、物凄い豪雨で川の中走ってるみたいでした。ドバーン!っていってものすごい水たまり(池みたい)にはまって、まるでスプラッシュマウンテンでした。次第に雪に変わってました。5月なんですけど・・・。

こんな晴ればっかりのボルダーで雨が降ると「は!雨だ!」とびっくりします。こんなに雨が降らないところらど、なんだか雨が降ると感慨深くなってしまいます。

友達が「こんなに雨が降る日は必ずノルウェイの森のあの場面を思い出す」と言いました。

村上春樹の「ノルウェイの森」で、主人ワタナベ君が緑とデパートの屋上に行く時に、すごく雨が降ってます。

それが「ノルウェイの森」の中でも何かが大きく変わる場面です。そこでたくさんの雨を降らす村上春樹。そんな些細な描写なのに、それで雨が降る度にそれを思い出す友達。感性ってすばらしい。

読んでもすぐ忘れちゃう私は、雨だし、ノルウェイの森を読みました。

1987年に書かれた本なのに、もう20年も前の本なのに、いつ読んでも変わらない若い喪失感、そしてその喪失感が失われないこの作品はやっぱり私のお気に入りです。

ありきたりなお気に入りかもしれないけど、やっぱりたくさんの人が好きなだけ、大衆受けした本でたくさんの人に影響を与えた本なのだと。その時の自分の心理状況でどんな風にも読めてしまう深いところがあると思います。

最後に。村上春樹はこの「ノルウェイの森」を本当は「雨の中の庭」っていう題名にしたかったそうです。やっぱり雨なんだ。
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「痴人の愛」読み・・・

終わらない!なんでだろう、なぜか一気に読めないし、入り込まない。谷崎ファンに怒られてしまうかもしれないけど、どうやら私は谷崎が好きではないよう。

谷崎潤一郎はなぜか読んだ事がなく、しかもなんなく日本を代表する「耽美派」ってことで、なんかその「耽美」ってのがどうも・・・で、読まず嫌いしてました。

読んでみたら、うーん、やっぱりなぜか読めない。入り込めない。なんだかな、私小説の語り口調だから?と思ったけど私小説でも好きなのはたくさんあるじゃない。だからわからないです。なぜ私が谷崎を読めないのか、好きになれないのか、誰か教えて。

てなことで、読んでません。友達にすすめておいて、自分は読んでません。どっちかっていうと、劇団ひとりのほうが100倍もスムーズで人を惹きつけるものがあったように思えるのは私だけでしょうか。
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「陰日向に咲く」を読む

なんだかずっと前から気になってた劇団ひとりの「陰日向に咲く」をとうとう読みました。最近忙しくて、読書モードから完全に遠ざかっていたので、これくらい軽いのなら読めるかな、と思ってサーッと読んじまいました。
アメリカにいるので劇団ひとりが本を書いて、しかもそれが結構評判いいなんていうのをニュースで読みました。劇団ひとりがねー、と思っていたので意外に期待を下げて読み始めたので、やるじゃねーか、ひとり!と感心しました。

もちろん深い文学として読んではいけないと思うけど、人の心をつかむいい感じの文体で書いてあるし読みやすかった。短編で一人一人主人公が違うわけなんだけど、うまい具合に話に入り込ませられるような主人公の語り口がよかったと思いました。

あと、単純だけど気に入ったのが全ての短編に出てくる登場人物がお互いにつながって、少しづつ登場すること。大江健三郎も同じ登場人物をいろんな短編で出してくるでしょ、それが好きなので、ひとりのこの方法も好きでした。

というわけで、サーッと読みたくてあんまり深くは考えたくないときには結構ジンとくるいい話です。でもどうやってこんな風にうまく書けたんだろう。才能あるんだなーと感心しました。確かアメリカ育ちでもあるんだよね。見直したぞ、劇団ひとり。

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三島にハマる

仮面の告白、読み終わりました。なによりも三島の人生そのものにものすごい興味を持ってしまい、文学的な頭になりません。もう切腹の時の詳しい詳細を読めば読むほど、「こいつ天才だけどめちゃめちゃクレイジー」と変な興味が沸きます。
要求のあいまいさ、いったい演説をして結果的に何を得たかったのか、不思議です。なんかただ美しい死に方をするための舞台を探していただけのような。

切腹も見事に決まったようです。自分で思いっきり刺して引っ張って腸がグジョーっと流れ出たんだって・・・。それで森田必勝(愛人ってよく言われる彼です)に首を切ってもらうことになってたんだけど森田君は3,4回試してもうまく切れず、となりにいた剣道の心得のあった古賀君に頼み、古賀君は一発でスパーっと決めたという話。もっとすごいのは、そのあと三島の短剣を拾って森田君も自決したということ。森田君の場合は、「本物の切腹」の仕方により近かったらしく、自分の腹は薄く切り、うしろの首を切る人に任せる、という方法だったようです。壮絶。

すごいことはフライデーが一面で三島と森田君の胴体と首の写真を載せたということ。怖くて見れません。見たいけど見れない。誰か見たことあったら見れるグロさか教えてください。

全く興味深い人です。なんてまた考えてたら午前三時。まだ3ページ。

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「仮面の告白」を読む

ここ数週間、大江健三郎ワールドにどっぷり浸かっていたわけですが、そろそろリサーチペーパーを始めなくてはいけません。っていうかドラフトの締め切りは来週の水曜です。あと4日しかない。
三島由紀夫の「仮面の告白」を読んでいます。三島自身の話、という設定ですがもちろん文学なのでフィクションだととらえなくてはいけないわけです。始まりからどうやって男に興味を持ち始めたか、ということが満載です。でも本当に本当に三島はゲイだったのか。文学としてゲイを振舞っていたのか?「仮面の告白」では幼少時代からもうすでに、意識していなくとも男への興味があった、とは書いてあるけど、どーなんでしょう。私は三島はゲイ、っていうのに半分は彼の芸術が入っているんじゃないかな、なんて思います。
とにかく、この作品で三島は世に出てきたわけですが、とても洗練されたおもしろい文章です。話も面白いけど、三島の「比喩」が面白い。リサーチペーパーを書くにあったって三島の最後の詳細を読んだけど、うううぅっときます。天才だけあって狂人。狂人だから天才なのか。

すごいことは、三島って私にとっては過去の人で生まれる前に死んでいる人なのですでに文学史の登場人物なわけですが、お母さんは三島の演説をテレビで見ていた、と。別世界!そんな時代の大きな出来事のときに普通にいたなんて。たとえば、60年後とかに私の子供が、「私のお母さんテレビで世界貿易センタービルが崩壊するの見てたんだって!」っていうのと同じかもしれないけど・・・。


なんてことを考えてる時間はないです、がんばります。
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